スタートアップの時代。
試合結果が、どうなるかなんて分からない。
そんなリスクを取り、みんな起業する。
例えばZOZOは、前澤さんが輸入したCDをライブ会場で販売し、それが好評だった。
ビジネスは、そこから始まる。
「ライブに来る、アーティストのファンは、似た服装をしている。売れる服が分かるから、それを売ればいいんじゃん」
と前澤さんは考え、CDと一緒にアパレルのカタログ通販を始めた。
アパレルは、CDとともに売れた。
しかし時代の流れとともに、カタログ通販からネット通販に移行したのである。
偉いのは、カタログ通販にこだわらなかったことだ。
知り合いにカタログ通販で、一儲けした社長の伊藤くんがいる。
ネット販売以前、カタログ通販がほんの一時期だけど、ブレイクしたことがあった。
伊藤くんは、その波に乗ったのだ。
ZOZOの前澤さんも、その時期に通販をやった。
彼も、伊藤くんと同じ通販バブルの波に乗っていたのである。
伊藤くんは、その後も通販をやり続け、現在、小さなホテルを買って、ホテル事業に移行している。
でも、ネット通販に移行はしなかった。
儲かっている事業からサッと撤退し、新しいビジネスを始めるのは勇気がいる。
儲からなくなって、移行するのは簡単だけど…。
ZOZOは、当初、17店舗のブランドから始めた。
ライブ会場のファンが買いそうな服ばかりを選んだ。
値段も高めで「知る人ぞ知る」センスのいいECサイトを作った。
自前で。
楽天は、13店舗がスタートアップだ。
ネットの拡大とともに、成長した会社である。
タケノコのように生まれたネット通販会社を押しのけ1位を維持する。
ネットの世界は、1位が総取りである。
先行逃げ切り的な、会社なのかもしれない。
後から、似たようなことをやっても、ネットの世界では追いつけないのだ。
グーグルと同じアイデアでは、今さらトップは難しい。
ネットに出店して儲けたい人(店)を集めるコンセプトは支持された。
スタートアップ当初から、膨張するビジネスモデルだったと思う。
たまたまかもしれないけど、たまたまのひとつが1位になり残っていく。
トップを取る理由だってあったのだ。
ZOZOは膨張し、約1700店舗のブランドを扱うようになる。
当初のこだわりは希薄になり、販売価格も手頃になった。
ZOZOに出店する特別感がなくなり、なんでも売っている『普通の店舗』に育った。
「大きくなる」とは、そういうことなのだ。
未来は分からないから、次のアイデアが出てくるのかもしれない。
現在、膨張した会社の運営に困っているように見える。
ZOZOの当初のコンセプトに、膨張は似合わない。
ZOZOに出店する特別感は、出店したい店舗のファンも作ったし、ZOZOからブランドを買うファンも育てた。
何か生まれつつあるワクワク感に、みんな熱狂したのだと思う。
何でも安く買える店には、当初の尖った人たちは興味を持たない。
アーティスト的なアプローチが得意なZOZOは、普通の会社になった。
ブランドを扱う社長は、尖ったインフルエンサーだったりするから、興味失うこともありそうだ。
起業すると、成功して大きな会社にしようと考える。
そうしないと、続かないからだけど。
スタートアップの才能と会社を維持し大きく育てる才能は、どうやら違うらしい。
もちろん楽天も、安泰ではない。
そんな風に思っている。
ネットの世界は、ガラッと変わるから。
まだ試合は、続いている。
文:紙本櫻士
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