簡易ステージ。
僕たちが開催した『千人の月見の宴』で、薪能の舞台に使ったのが、ステージのデビューである。
強化ダンボールって木材と同じ強度で、重さは3分の一なんだ。
僕は、そう聞いて、
「これって、舞台に使えるんじゃないか?」
と考え、簡易ステージ『ステージキッズ』を開発した。
1トンくらいに大丈夫だし、持ち運びも便利である。
なにしろ畳むと、カバン型になる。
クルマで運べるのも画期的だ。
アルミの簡易ステージは、まぁ、重い。
収納するアルミの箱だけで、50キロもあるから(4セットはいる箱ですね)、トラックで運ぶ必要がある。
青いボタンを押したら、ウィーンって荷台まで上げてくれる装置があるトラックである。
もしくは屈強なナイスガイが数人いて、荷台に持ち上げないといけない。
業者に頼むと、工事現場の足場でステージを組んでくれる。
でも、業者を頼むのは敷居が高かったりする。
そこで、考えたのが『ステージキッズ』だった。
自分たちだけで、ステージを造りたい。
『千人の月見の宴』では薪能の後に、宇崎竜童さんがステージキッズの上で演奏してくれた。
7000人が、ステージキッズの上で歌う『スモーキン・ブギ』や『ロックンロール・ウィドウ』を聴き、月夜の下で彼のブルースに耳を傾けた。
ステージの機能としては十分だと思っている。
なにしろ宇崎さんが演奏したステージである。
繰り返し使えるけど、水には弱い。素材が紙だからだ。
例えば、
広い空間のある商業施設が、全国に結構ある。
そこにステージキッズをパタパタと組み立て、イベントをするのは良さそうだ。
雨の心配はない。
しかも天板は、大きな媒体になる。
商業施設の吹き抜けを上から眺めると、巨大な広告を作ることもできそうだ。
使わない手はないのだ。
関西ローカル番組で『ステージキッズ』を取り上げてくれたことがあった。
「これええやん!」
と、最初に採用してくれたのが、ジャパン・フェスティバル・ボストンだった。
アメリカの東海岸である。
ボストンで盆踊りの櫓(やぐら)に使われたのだ。
4つ連結して、その上で法被を着た女性二人が太鼓を叩く。
ボストンの人たちが、その周りで盆踊りをした。
「こんな使い方があるんだ」
と、僕はアメリカ人たちが踊る姿を見ながら思った。
思いもよらないステージキッズ使い方が、まだまだありそうだ。
とはいえ、
現在、ステージキッズを「どう広めようか」という段階である。
簡易ステージのシーンが変えるアイデアだと思っている。
レンタルもいいのかなぁ。
文:紙本櫻士
ラジオ版 トライ&エラー
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