1万円札は、渋沢栄一。
政府は、1万円、5千円、千円のデザイン変更を決めた。
渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の3人である。
渋沢栄一って何した人だっけ?
なんとなく、幕末に銀行とかの話に出てくるような…。
津田梅子は?
北里さんは、ベルリン大学でコッホに師事し、名を馳せた人である。破傷風菌とか脚気の原因とかの研究で有名だ。
津田さんは、津田塾大学を始めた人。
と紹介されると、なるほど、と分かる。
面白いのは、北里さんが福沢諭吉の援助で、私立伝染病研究所を作ったことだ。
関係ないけど、名前がオドロオドロしくない?
ドイツ滞在中、東大医学部教授が「脚気は『脚気菌』が原因である」との主張に対し、
「脚気菌などない」と、渋沢は反論する。
脚気はビタミンB1の不足によって起こる病気だ。
もちろん、脚気菌などない。
分かったのは1910年代だから、東大との論争は20年くらい前ではある。
当時、ドイツでは菌ではないと分かっていたのかもしれない。
北里さんが日本に戻ると、東大医学部から「恩知らず」と罵倒され、研究の場に困ってしまう。
そんな北里さんを見かねての、福沢諭吉の援助だった。
さすが、1万円札になる人なのだ。
紙幣を刷新すると、気分が変わる。
床下や壺に大量に隠している福沢諭吉も使いづらくなるに違いない。
でも、聖徳太子から渋沢栄一へと、普通の人(じゃないかもだけど)が、紙幣になっているようにも思う。
アメリカ紙幣は、1ドルは頑固にジョージ・ワシントン。5ドルは、エイブラハム・リンカーン、100ドルはベンジャミン・フランクリンである。
もはや説明などいらないトリオだ。
デザインの変更については議論されているが、偽造の防止技術の向上で十分らしい。
壺に、大量にドルを所持している人は、胸をなでおろしているのかな。
偽造や壺の話は後づけだ、と思っている。
ずっと聖徳太子でもよかったのだ。たぶん。
紙幣を刷新すると、例えば、自販機の業者が儲かる。
政府は儲からないけど、大量に新しい紙幣を発行するのに予算をかける。
政府がお金を使うと民間に流れる。
銀行業務にも影響があるだろう。
日本の紙幣刷新は、経済政策のひとつなのだ。
財務大臣が決めるのも、うなずける。
ところで2千円札は、元気かな?
※ 渋沢栄一 1840年生まれ。実業家。「日本の資本主義の父」と呼ばれる。尊皇攘夷の志士から、慶喜の幕臣になり、パリ万博に行ったりしてるんだね。世渡り上手なのかな?
文:紙本櫻士
https://komezensen.jimdofree.com/
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