食べ過ぎたり、飲み過ぎたりは、粋じゃない。
読むだけで絶対やめられる、というアレン・カーのベストセラー『禁煙セラピー』『禁酒セラピー』を読んだ。
面白く読めた。
今更だけどね。
タバコや酒がいけないのではなく、脳が美味しいとダマサれているんだ。という主張である。
「旨いから飲んでいるわけじゃないんだ。つい、飲んじゃうんだよ」と、言う人たちは納得するだろう。
例えば、タバコはずるい薬物で、深く吸うと意識がぼんやりし、スパスパ吸うと興奮するという。
ポーカーやパチンコなどをするとき、タバコは有益である。
ついてない時は、ゆっくり吸い。つきだしたらスパスパ吸えば楽しい。
でもね、脳がタバコにダマサれているのだよ。とカーンは主張する。
酒も、脳を騙していると。
酒と煙草の問題は「やりすぎること」と僕は思っている。
次第に耐性ができ、量が増え体を壊す。脳もやられる。
適度に嗜むのが難しくなる。
どちらも、強い薬物なのだ。
そこでアレンは「酒もタバコも不味いのに、なぜ?」
と、読者に問う。
でもこれは、アレンのレトリックである。
肝臓を悪くして、ガンマ値が跳ね上がった知り合いがいる。
「酒をひかえないと、マズいよ」と、医者に注意されたと言う。
「酒飲んでませんよ」
「嘘をついてもバレてるよ。この数値はひどい」
「でも、飲まないんですよ」
彼は嘘をついてはいなかった。
コーラを毎日3本以上飲んでいたのだ。
食事の時も、のどが渇いても、仕事をしながらも飲む。
すると肝臓がやられる。
アルコールも糖も、肝臓が分解しているからだろう。
毎日、カツ丼を毎日のように大量に食べたら体を壊す。
ことによると、カツ丼に脳がダマサれているかもしれない。
けど、カツ丼を攻撃するのはどうか。タバコのように。
ちなみに油を摂取すると、脳は喜びを感じる。
糖、油、塩などは、中毒性を持つマイルド・ドラッグだ。
でも、普通に摂取している分には、美味しくいただける。
同じものを大量に摂取すると体を壊すのだ。
それだけである。
水だって中毒になる。
どんな嗜好品にも『美味しい』があると思っている。
酒や煙草にだってある。
要は嗜好品に操られないことだろう。
モノを売らなければならない会社は、嗜好品で操りたいかもしれない。
嗜好品のマネタイズは、難しい。
つい、やりすぎてしまう。
酒もタバコも、ゲームも依存する人を作っているのだと思う。
粋やダンディズムは、やせ我慢だ。
僕なら、やせ我慢セラピーをすすめたい。
飲み過ぎ吸いすぎは、粋じゃない。
むしろ体に悪いからと、思考停止する方がよくない(依存症の人は別です)。
酒もタバコも文化である。
良いことと悪いことは、表裏なのだ。
文:紙本櫻士
https://komezensen.jimdofree.com/
【人気記事】
【マンガな米前線】
コメントをお書きください