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紙が消えていく。

紙の本を買わなくなった。

 

レコードがなくなりCDに移行したように、紙の媒体がなくなりつつある。

そのCDも、なくなりつつある。

僕は、Amazon Echoで音楽を聞くようになった。

 

CDのは、保管が悪いと数年で劣化するらしい。

買った時は、半永久的だと思っていたのに…。

1980年代に買ったCDが本棚に並んでいるけど、いまのところ劣化してはいないようだけど。

 

経年劣化もあると言うから、貴重なCDは心配である。

レコードは優秀で、きちんと保存していれば(CDも同じだけど)、半永久的と主張する記事を読んだことがある。

僕が小学生の頃に買ったシューベルト『未完成交響曲』は、40年経っても平気である。

丁寧に扱った覚えもないから、レコードは保存に優れているのかもしれない。

 

僕は新聞に広告を書くことがある。

一応、作品としてファイルするのだけど、たちまち新聞の劣化が始まり、古く汚い古新聞になってしまう。

対策は、コピーをとって保管である。

 

余談だけど、イラストレーターの沢野ひとしさんと仕事をしたことある。

当時は、ネットなどないから、FAXでやりとりをしていた。

沢野さんから来るFAXには、なぜかイラストが描かれてあった。

椎名誠さんのエッセイに描かれている見覚えのあるイラストである。

温泉に浸かって、酒を飲んでいるおじさんが「うぃー」とか言ってる絵を覚えている。

「温泉に行ってました」と書いてあったように思う。

 

僕は、仕事場の壁にそのおっさんのFAXを貼っていた。

でも感熱紙は、保存には向かない。すぐに消えてしまったのである。

もったいないことをしたとなぁ。面白いイラストであった。

 

レコードからCD、ハードディスク、スマートスピーカーに音は移行している。

僕たちは、音楽を聴きたいのであって、CDが欲しいわけじゃない。

だから、媒体は便利ならなんでもいいのだ。

本にも言える。

本を読みたいのではなく、小説や写真や情報を読みたいし、見たい。

アルミ製ステージが欲しいのではなく、ステージが欲しいのだ。

当初、電子本に抵抗があったけど「紙よりいいのでは」と思っている。

場所も取らないし、劣化もしない。

本はなくならないと思うけどね。

 

実は、重たいハードカバーが好きだ。

本は、立体的な作品だったりもするから。

 

文:紙本櫻士

 

『起業でごはん!』

『米前線をめぐる冒険』

https://komezensen.jimdofree.com/

 

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