高橋くんが起業した会社。
友だちの高橋が起業した。
株式会社ブックオリティである。
「世界を変える著者になるブックオリティ出版ゼミ」を開講し、出版業界の松下村塾を作ろうと企んでいるという。
高橋は、20代の頃からの友だちで、僕の披露宴では司会もやってくれた。
慶応大学の劇研では、役者として活躍していたこともある。
実は、僕も明治大学でアヤシイ劇団『演劇舎 蟷螂(とうろう)』で役者を少しだけやった。また、大学の劇研で音響をやったこともある。
恥ずかしい、過去だけど。
1980年代、六本木アトリエフォンテーヌで、六大学の演劇フェスティバルに参加したことがある。
優勝したのは、僕の明治大学劇研『螺旋(らせん)』だった。
高橋と知り合いになった時、
「俺も出てたんだ」と、聞き驚いた。
高橋は、主演男優賞を受賞したという。
「おーしちゃん、山手線でパフォーマンスしようよ」などと誘われたりもしていたが、まだ、実現していない。
これは、いずれしたい。たぶん。
去年、京都四条の東華菜館で高橋と飲んだ時、
「会社辞めて、起業しようと思ってるんだ。ブックオリティという会社名も決めている」
と、高橋が言った。
「どんな会社?」と訊くと、
「松下村塾みたいな」と、高橋は答えた。
高橋は『人生がときめく片づけの魔法』(著者:近藤麻理恵)の担当編集者である。
サンマーク出版では、常務取締役編集長でもあった。
日本と海外で、ミリオンセラーを出した編集者は、彼だけだという。
「片づけのイカした本を担当してるんだけど、なんとか著者に年末まで書き上げて欲しいと思ってる。早く出したいから」
などと、言っていたのを覚えている。
作る時は、大変だったのかもしれない。
その後、アメリカに売り込みに行きたい。と、彼は渡米して営業をすることになる。
彼が司会をしてくれた僕の披露宴にいた友だちが、テレ朝の全米総局長になっていたのを思い出し「それならニューヨークに行け!」ということになって、彼は著者と一緒に営業に行った。
本は、勝手に売れない。
編集者の、あらゆる努力が必要なのである。
株式会社ブックオリティで、彼は未来のベストセラー作家を募集した。
一期生は、最近、卒業したばかりだ。
プログラムの最後に、塾生は編集者たちの前でプレゼンをする。
「この著者と仕事をしたい」と感じた編集者は手を挙げる。
もはや『スター誕生!』ではないか。
すでに、二期生の募集があり、大人気だという。
これから、何を彼が始めるのか目が離せない。なにせ、主演男優賞の高橋である。
ベストセラー作家になりた人は、迷わず門をたたくといい。
何かがそこで生まれてる場所は、そこにいるだけで幸せだと思うよ。
文:紙本櫻士
https://bookquality.co.jp/#prj
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