色気がほしい。
例えば、椅子、机、鉛筆、ナイフなど、なければ困るし、必要なら買う。
機能が欲しい製品は、いま、必要なのだ。
それでも、いろんな椅子があって、沢山の中から選ぶ時、価格であったり品質であったりする。
でも、そこに色気があると、どうしても欲しくなることがある。
機能や性能に問題があっても、なんとしても手に入れたい。
そんな衝動である。
僕たちは、製品がもつ色気には勝てないのだ。
ステージキッズに足りないものを、いつも考えているけど「色気」が、足らない。
ブラッシュアップの優先順位は、色気なのだ。たぶん。
「ロメオ、あなたはどうしてロメオなの?」
などと、イタ車のアルファロメオを愛している友人がいる。
痛車などと、揶揄されるイタリアのクルマには、他にはない色気があるようなのだ。
彼のクルマは、旧車のアルファで、いつもどこかがヤラれている。
機能、性能に、大問題があるが、それを上回る色気があるから不思議なクルマなのだ。旧車のアルファ乗りは、どこか冷静でないように思う。
一度、アルファの右のドアが外れたことがあるけど、それは故障ではなく、彼にとっては通常の消耗品交換である。
もはや、彼の痛車には寿命などない。
製品の色気が続く限りね…。
ブランドは信用である。なので論理的に手に入れる理由がある。
何かあったら、気持ちよく対応してくれる安心感だ。ルイヴィトンは、過去の顧客名簿を大切に保管しているらしい。信用が財産なのだ。
色気は人間の本能に訴えかける。食欲とか性欲とかに近いから、理屈ではない。ブランドがもつ信用とは、違うベクトルなのだと思う。
ゲリラ・マーケティングには、色気が効く。
ヒットの鍵なのではないか。と、最近、考えている。
文:紙本櫻士
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