やられたら倍返しだ!
このフレーズ、流行ったよね。
2013年7月7日から始まった、TBSの日曜ドラマ、半沢直樹の決め台詞だ。
銀行の上司にハメられて、大逆転劇でやり返す、勧善懲悪とはいかないけれど、サラリーマンが見て胸がすくドラマだった。
主人公の半沢直樹は、何度も窮地に立たされ、もはやこれまで! をギリギリのところで跳ね返す。
見ていて分かりやすく面白い。個性的な役者たち、スピード感もあった。
最高視聴率は、46.7%である。
古いけど、織田裕二主演の『お金がない!』も何度も窮地に立たされるが、ギリギリのところで跳ね返して、出世していく物語である。
上司が実は敵なのは、同じ構造で、最後に勝って胸がすくのも似ている。そして、どちらもラストに天下を取ることなく、自分の道を歩んでいく。
毎週、欠かさず見ていたドラマである。
現在、僕は起業しながら貧乏している。で、新製品を世に出そうとしているわけだが、この手のドラマを楽むことができなくなった。
窮地に立たされているのが、自分のことのようだからだ。
最近だと、役所広司主演のTBSドラマ『陸王』は、見ていられないドラマだった。
お金がなかったり、アイデアを取られてしまったり、銀行に相手にされなかったり、プレゼンが通らなくて窮地に立たされたり、社員に反対されて困ったり、そこを跳ね返して突き進むのがドラマの魅力だけど、僕がやっていることじゃないか。
資金繰りに苦しむ社長の姿を楽しんでみることはできない。
役所広司の苦悩が伝わり、胸が苦しくなってくる。いい役者である。
実際に、ドラマのようなことが起こるのは勘弁してほしい。
ドラマは、やっぱり、見るものなのだ。
文:紙本櫻士
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