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ベンザエースを買ってください。

いかに買ってもらうか?

 

「買ってください」と言いわたいわけだけど「そのままじゃなぁ」と、あれこれ考えるわけである。

 

『不思議、大好き。』(西武)

『でっかいどう。北海道』(全日空)

『プール冷えてます』(としまえん)

『よろしく』(矢沢永吉)

 

キャッチコピーは切り口が命。

でも、本当はみんな「買ってください」と言いたいのだ。

 

で、仲畑貴志さんが書いたコピーに驚いた。

あまりにも「そのままやんけ」だったからだ。「こんなのでお金もらっていいのかよ」と、思ったコピーライターもいたかもしれない。

もちろん、小泉今日子だからとか、もはやベンザエースに説明はいらない、とか理由はある。

でも、

「トヨタ自動車を買ってください」とは、広告マンは言いたくても言えない。

高い買い物だしね。

ベンザエースだから成立した広告だろう。

「お薬飲んで、早く寝てね」と、キョンキョンに言われているような錯覚が上手い。

 

仲畑貴志が書くコピーは、基本、真っ直ぐである。

例えば、こんな感じ。

 

「運転がうまいのは、わかった。しかし、道が違うぞ。(車に、ナビを付けないからだ)」(ソニーカーナビ)

「建つまで迷惑ごめんなさい。建ったら仲良くしてください」(大林組)

「おしりだって、洗ってほしい」(TOTOウォッシュレット)

「いいコピーが、スッカラカンに書けないと時は、軽く飲んで、早く寝るしかないなぁ」

(サントリー・ホワイト)

など、「そのままやんけ」が多いように思う。

 

僕たちは、これから新商品を販促をするわけだけど、

「そのままやんけ」な訴求はいいと思っている。

時が経っても、腐らないのがいい。

どうだろう?

 

話は違うけど、

中畑さんの名刺のロゴが面白い(いまも使っているのかな?)。

ポールの中程に「中畑」という、旗がはためいてる。

そのまんまやんけ。

 

文:紙本櫻士

 

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