「こんなのできたんだ」
と、見せびらかしたい。
「すごいと思わないかい?」と、自慢したい。
そんな気持ちが、大事なのだ。
自分たち売る商品が、つまらないとか、恥ずかしい、と思っていたら、それは間違っているのだ。
作るより売れ! だけど、最初に見せびらかしたいがない商品は、どこか無理をしているのだと思う。
アップルコンピュータを作ったスティーブ・ウォズニアックは、地元のコンピュータオタクの集まりで「こんなのできたんだ」と、自作のコンピュータを見せびらかした。
当時ウォズは、ヒューレット・パッカードの社員だったので、会社に開発した製品を見せた(見せびらかした)が、相手にされなかった。
じゃぁ、とスチーブ・ジョブスと組んで売ることになる。自分のクルマを売って…。
何しろ「こいつはスゴイぞ!」と、思っている二人である。
自作コンピュータマニアは、倶楽部があるほど沢山いたし、マイコンと呼ばれるコンピュータ製品も山ほどあった。
ウォズは、そんな中で「スゴイだろう」と、ただ、みんなに言いたかっただけではないか。
ビジネスになると、思っていたのはスティーブだ。
発売当初、相手にされなかったコピー機もそうだし、コカコーラやジーンズもレコードも「見せびらかしたい」商品だったのだ。
手で写したらいいじゃないか、と、コピー機を売りに行くと言われたらしい。
とはいえ理解されないけど、「見せびらかしたい気持ち」は伝播する。
10パーセントいるという新しもの好きは、実は、見せびらかしたい人たちなのだ。
スチーブ・ジョブスは、違うビジネスの集合に属しているように思えるが…。
さてアイデアは、どこから来るのか?
起業・アイデアでググってみると、新しいアイデアについて多くの記事が出てくる。
「新しいアイデアの出し方」とか、「ビジネスアイデア52選」とか…。
アイデアなんか、いくらでもあるのだ。たぶん。
それを「見せびらかしたい」状態にする。
ウォズのようにね。
小説でも、音楽でも、絵画でも、起業でも、成功の基本は「見せびらかしたい気持ち」だと、思っている。
ああ、見せびらかしたい。
文:紙本櫻士
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