簡単な特許。
実用新案の成立要件は、2つある。
1 自然法則による技術思想の創作であること。特許と違い「高度さ」は求められない。
2 物品の形状、構造、または組み合わせに係る考案であること。
つまり、簡単な特許である。
現在、無審査で登録ができてしまい「意味があるのか?」という状態になっている。
実は大学生の頃、僕は実用新案を取ったことがある。
カセットテープに付属するシールに関するアイデアだった。
カセットテープなんて見たことない、という世代が増えているけど、昔は貸しレコード屋でレンタルしたレコードをカセットテープに録音して聞いたのだ。
でテープについているシールに『オフコース』とか『松田聖子』とか書いて貼る。
テープには爪があって、折ると重ねどりができない仕組みになっていた。
折った穴をセロハンテープで塞げば、また、録音できる。
僕は、付属のシールに再録音専用シールを加えたら便利だ。と、思い実用新案として提出した。簡単アイデアである。
で、ソニーとかマクセルなどに「使ってみませんか?」と営業したんだけど、採用にならなかった。
理由は「そんなシールをつけたらテープの販売量が落ちる」ということだった。
もっともである。
再録音などせず、企業はどんどん新しいテープを買って欲しいのだ。
一番、丁寧な回答をしてくれたのは、ソニーだったかな。
あとは、ケンもホロロ。
現在、法律が変わって実用新案を取る意味が薄くなっている。
登録の後に、さらに審査請求しないと権利の行使ができないのだ。
でも、この簡単特許の制度は、使い方によっては面白い法律だと思っている。
簡単特許いいぢゃないか。
また、何か出してみようかな。
※ 写真は、ボストン・ジャパンフェスティバルでJRがプラレールで日本の鉄道を紹介している様子。「どこで買えるの?」と、子どもたちに大人気だった。アメリカで売れそうだね。プラレール。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
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