月はどっちに出ている?

上を向いて。

 

この時期、月見のイベントが多い。

例えば、僕たちの『千人の月見の宴』と同じ10月4日に、

神戸では『離宮月見の宴』、東京タワーで『お月見階段ウォーク』、大阪の住吉大社で『観月祭』、京都の上賀茂神社で『賀茂観月祭』など枚挙に暇がない。

 

内容を見てみると、観月系とイベント系に分かれるように思う。

僕たちの『千人の月見の宴』は、その中間かもしれない。

とはいえ基本、中秋の名月の日の主役は『月』である。

 

薪能やブルースを満月の下で、平安貴族のように楽しみたい。とは思っているけど、月を観なければ本末転倒なのだ。

 

余談かもしれないけど、天の川のイベントが僕には不思議に思える。

本来、星を観る日なのに、地上のイベントが巨大になっていると感じるからだ。

日本の三大七夕まつりと言えば、仙台と平塚、安城である。

どれも、魅力的な七夕まつりだ。

でも、地上イベントが大きくなりすぎて、空の星が置き去りにされていないだろうか。

 

七夕の日には、全国各地でお祭りが繰り広げられている。

これは、月見も同じだ。

空の星に向いているのもあれば、テキ屋が並ぶ夏祭りの延長風味のものもある。

とはいえ、月見に比べて七夕はしんどい。

晴れた空を見上げても、天の川が見えない場所がほとんどだからだ。

日本は明るくなりすぎた。

天の川は、空から消えて久しい。

ましてや新暦で開催するとなると、梅雨の時期だから雨の日ばかり。

 

僕が思っている月見の宴は、年に一度くらい美しい月を見よう、な日だ。

月なら、明るくなった空でもはっきり見える。

イベントで人を集める夏祭りテキ屋風味では、決してない。と、自戒している。

 

PCやスマホのモニターから開放され、

ポッカリ出た月の下、平安貴族のように水と音楽と芸能を楽しむ。

なんにもない河川敷で、なんにも考えずに、月を見る。

杯に月を映して酒を飲む。

 

なんとも贅沢ぢゃないか。

 

で、月はどっちに出ている?

 

文:川はともだち 代表 紙本櫻士

 

千人の月見の宴

チケットぴあにて、発売開始。ネットはもちろん、電話でも買えるということで、アナログな方にも優しいのだ。
0570-02-9999(Pコード 481-199)

 

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