「高さ、1メートル以上必要です」
と、舞台監督の山代さんが言った。
ダンボール製能舞台の高さである。もちろん、宇崎竜童も演奏する。
「60センチまでだったら、組み立ても楽です。それ以上だと、側面のパーツが重くて大変」と、ダンボールを開発している京阪紙工の住谷社長が険しい顔で言った。
喫茶店『木馬』で打ち合わせのことである。
「お客さんが多いから…。なんとかならないですか?」
と、山代さんが食い下がる。
もとはといえば、初年度に能を観る桟敷席を強化ダンボールで創ったのが始まりだった。
相撲の桟敷席にような四角いスペースに、お客さまが座る。
と、僕が言ったのがきかっけで強化ダンボールを使った舞台が生まれた。
生まれたら、成長が始まる。
去年は4000人の来場で、300人ほどが協賛席のお客さまだった。
今年は、10000万人の来場で、1000人の協賛席を見込んでいる。
桟敷席は「腰がいたいねん」という要望から、椅子に変更。で、より高いステージが必要になったのである。
数週間して、住谷社長から連絡が来た。
試作品ができたという。
会社に行くと、90センチのステージキッズがどーんと置いてあった。
60センチと30センチを合体させたステージキッズだ。このアイデアだと分解しても、60センチのステージと30センチのステージとしても使える。
「落語協会から、もっと、運びやすくならないか」と、要望もあったと住谷社長が言った。
落語のステージキッズは、高さ120センチでパーツがむっちゃ重いのだった。
『千人の月見の宴』で、去年、世界初だったステージキッズ。今年は、さらに世界初の合体型になる。
「ハードルを毎年上げるのは大変ですよ」と、山代さんに何度も言われている。
そーだけど、ついね。と、僕。
ステージキッズの晴れ舞台でもある『千人の月見の宴』を、ぜひ、見て欲しい。
※今回、36個のステージキッズを使用します。千人の月見の宴で使用後、定価の半額以下でお譲りします(相談)。高さ60センチ✕縦120センチ✕横120センチのステージキッズと、高さ30センチ✕縦120センチ✕横120センチのステージキッズです。
辰巳満次郎、宇崎竜童が使ったステージ。何度も使えますよ。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
チケットぴあにて、発売開始。ネットはもちろん、電話でも買えるということで、アナログな方にも優しいのだ。
0570-02-9999(Pコード 481-199)
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