ダジャレは強い。
僕は広告学校に通っていた。
故・天野祐吉さんが、主催するコピーライターの学校である。
80年代当時、カメラマンのえーちゃんから、「広告学校って面白いよ」と薦められるまま入った。
宣伝会議コピーライター養成講座に行こうかと悩んでいたけど、キャッチフレーズが面白かったので広告学校を選んだ。
「いい学校ですが、モトがとれるかどうかはあなた次第です」
というキャッチだったと思う。
講師に、糸井重里、仲畑貴志、真木準、小野田隆夫、川崎徹などがいて、入学した時の課題で講師たちが面白そうだと思った生徒を取る。
僕は、真木さんのクラスだった。
真木さんは変わった人で、例えば、大塚食品シンビーノのポスターにキャッチをつけなさい。という、クイズのような問題を出す。
黒板にドーンとキャッチのないポスターが貼ってあり、僕たちはキャッチを考える。
できたコピーを一通り講評した後、真木さんが「これが正解」と、自分のキャッチコピーを披露する。
「なんでやねん」と、突っ込みたくなる授業だった。
えー正解は、『太陽がオッパイ。』
真木さんの代表作は、なんといっても『でっかいどお。北海道』(全日空)だろう。
『裸一貫 マックロネシア人』(全日空)『恐いもの着たさ』(伊勢丹)なども、真木さんのコピーだ。
キャッチコピーには、座布団一枚的なコピー、そーきたか的コピー、納得系コピーなどがあるけど、真木さんが得意とするダジャレ系は日本人には抗えないチカラがあるように思う。
レナウンの靴下『通勤快足』もダジャレ系で、当初『フレッシュライフ』で売り出したがパッとせず『通勤快足』にした途端、爆発的に売れだした。
中身は一緒だから、ダジャレネーミングのチカラと言っていい。
簡単ステージキット『ステージキッズ』も、ちょっとダジャレ系かもしれない。
真木さんの影響をいくらか受けているのだろうか。
真木さんが亡くなって、8年になる。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
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