「いつまで、バイトみたいなことやってんの」
同窓会で、元ヤンキーの米田くんに言われたのを覚えている。
オマエに言われたくないわ。と思ったけど…。
僕は就職したことがないから確かに「いつまでも、バイト」なんだけどね。
ヤンキーは、基本、人の言うことを聞くのが嫌いだ。と、僕は思っている。
若いときは、大人や先生が、あーしろ、こーしろ、勉強しろ、と言われるのが大嫌いだ。なのに、いつしか大人になると、あーしろ、こーしろと説教するが好きである。
僕の周りはだけど。
そういうことに反抗してきたんじゃないの? どん!、と言いたい。
クルマを運転していて、割り込みをする人が、他人に割り込まれると、異常に怒るのに似ているように思う。
ヤンキーは、基本割り込みたい人たちなのだ。
最近、フリーランスの平均年収が200万くらい、という記事を読んだ。
なるほどである。
原稿を書いて1000万越えるのは、死ぬほどしんどい。締切地獄をかいくぐりながら頑張ってやっとである。命を削って稼ぐのだ。
50万のコピーライティングの仕事を月に3本やればいい。
雑誌の仕事だと、ちょっと難しいかな。
大阪と東京のライターの値段も違う。
僕は、ずっと関東で原稿を書いていたんだけど、関西に来て『大阪値段』というのがあるのを知った。ギャラの交渉で「大阪値段やけど」と、担当に言われるのだ。
タダでお願い。というのも『大阪値段』のひとつだったりする。
人口が少ない都市だと、もっと大変なのかもしれない。
タダで書くと、もやは趣味である。
ただ、東京がいいかと言うとそれも違うのだ。
大阪の場合、例え只の仕事でも、儲かったら「なんぼ欲しいねん」という交渉がある。
「俺を儲けさせてくれたら、なんぼでも払うで、でも、今は分からんから金は出せん」
ケチなんだか気前がいいのか、分からない。でもよくよく考えると、僕に10億儲けさせてくれる人がいたら、ナンボでも払ってあがられる。
そりゃそーだ。
儲かってないうちは、タダ働きでならね。
大阪の気前のよさであり、ズルさでもある。
東京は、50万円の仕事は、例え1億円儲かっても50万。儲からなくても、50万支払ってくれる。
「なんぼ欲しいねん」
という、その後の交渉はない(大阪だってほぼない)。
大阪のフリーランスは大変だ。と、僕は最近気づいた。遅いって!
「ただで」が多すぎるのだ。
で、起業なのだった。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
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