初めて買ったレコードは、カラヤン指揮の未完成交響曲と田園だった。
ピンクレディーとか、キャンディーズとか、サザンオールスターズとかなら、その後は違った音楽体験になったように思う。小学生の頃である。
最初に買ったレコードがクラシックだったため、刷り込みのように「クラシックっていいな」と、感じたのだろう。
何事も、初めての体験は大事なのである。
僕は小遣いが貯まると、ベートーベンの5番、9番、7番といった順番でレコードを買っていった。その頃、何故かベートーベンに夢中だった。これも、刷り込みかもしれない。
尊敬する人はベートーベンなどと、答えていたくらいである。
どこか、おかくしくなっていたように思う。
中学二年生の時、カラヤンが日本に来た。
結構なお歳で、二度と日本に来そうにない貴重なライブだと、僕は思った。
で、クラシック仲間の坂くんとチケットがいくらなのかを調べ、一緒に行こうと約束をした。でも、チケットの値段が高い。安い席で1万円くらいしたと思う。
親に、コンサートに行くのでお小遣いをください、という値段を越えているように思えた。
結局、行くのを諦めたのだけど、後から親にその話をすると「カラヤンなら、行かせたよ」と言われ、残念だったのを覚えている。坂くんは、行ったようである。
今から思うと、
その時「なんでもいまチャレンジしないと機会を逃すのだ」と、学んだように思う。
これはちょっと違うかもしれないけど、数年前、小澤征爾のコンサートに招待するよ。という、メッセージが事務局をやっている友人から来た。
ところがである、Facebookのそのメッセージが「その他」という場所に届いていて、僕はそのお誘いに気づかなかったのである。
あれ、メッセージが来てる。と気づいたのは、コンサートが終わった後だった。
これは、悔しい。
カラヤンの次は、小澤征爾なのか…。
たまたま、どちらも音楽のコンサートだけど、このふたつの経験で「迷うと、とりあえずやってみる」方向で考えるようになったと思っている。
結局、一期一会なのだ。
文:川はともだち 代表 紙本櫻士
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