ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
大学生だったころ、劇団に入っていたことがある。練習場所は学生会館の地下だけど、明治大学の学生より一般の人のほうが多かったように思う。
中退した人とか…。
隣の部屋で練習していたのは、第三エロチカ、演劇団、僕は演劇舎蟷螂という劇団に所属していて、月、水、金が蟷螂が練習日で、火、木、土は、ワハハ本舗が使っていた。どういうわけか。
アングラい劇団たちが元気いっぱいの混沌とした時代である。早稲田大学の連中もよく似た環境で練習していたようだった。
で、蟷螂の音楽を担当していたのが、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドで、キーボードの千野秀一さんだった。
「おい、勝手に作曲して歌うな!」と、ピアノを弾いてる千野さんに怒られたのを覚えている。好きなように歌ってしまうのは、いまも同じだけど…。すみません。
当時、千野さんはロングヘアーでいつもサングラスをいつもかけていた。まるで、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの人のように、夜なのに、しかも暗い地下教室なのに大丈夫なの? と、僕は思っていた。
練習が終わると、千野さんは大学の近くに路駐していた(いまは無理だ)、ボロい軽自動車で帰っていく。当時、芸能人はお金持ちだと僕は勝手に思っていたので、ポルシェでもBMWでもないクルマに乗っているのが不思議だった。
でも、それがカッコいい。僕もボロい車に乗ろう!と、誓ったくらいにね。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドがブレークしたのは、僕が小学生だったころだ。セリフばかりの変わった歌だな、と『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』を聴いて小学生の僕は、思っていた(いま聴くとすごくいい)。リーゼントでつっぱり風のボーカルの声が印象的だったのを覚えている。
それが、宇崎竜童さんとの出会いだ。
宇崎竜童さんも、明治大学だったのを最近知った。
宇崎竜童&御堂筋ブルースバンドが、イカしていることも。
千人の月見の宴では、初回、ジャズ、去年はタンゴ、今年はブルースである。
今年、宇崎竜童さんが、僕たちにブルースを歌ってくれる。
もう、行くしかない。
文:月見の宴実行委員会 代表 紙本櫻士
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